ある日のこと。
看護師の嫁がかなりどんよりした雰囲気で帰ってきた。前回もそうだったがまたしても精神的に参っている感じだ。
| λ............トボトボ
今度は何があったのか?
終末期の看護
「ただいま~。はあーあ・・」
「おかえり。どうしたの?」
「今日ね、患者さんに『これからどういう風に生きたいですか?』って聞くのがあってさ。それも2人も」
「えっそれって・・もしかしてもうすぐ亡くなるってこと?」
「うん」
「まじか・・。それはしんどいだろうな。想像もつかんが」
「言葉を選びながら慎重に聞いていくんだけどさ、1人ならまだしも今日は2人だったから結構疲れたよ」
「うむ・・」
終末期の看護か・・。
この話だけでも看護師という仕事がいかに大変かわかる。余命が宣告された患者に、今後の人生をどう生きたいかなんて僕にはとても聞けない。
その患者さんは「1秒でも長く生きて奥さんと一緒にいたい」と言ったそうだ。泣けるというか言葉が出ない。どういう表情をして聞けばいいのか僕には全然わからない。
精神的にタフにならないと看護師は務まらない
「あと、うちの病棟のスタッフがね、嫌がって誰も聞こうとしないんよ。聞きにくいのはわかるけどさ、連絡事項にもちゃんと書いてあるのに他の仕事が忙しいとか理由つけて全然聞いてくれないの。だから私が2人聞いたのよ」
「ふむ」
「術後の患者さんを見るのはできるようになっても、こういう質問は気を使うし、言い出しにくいからね。すっごく大事なことなんだけどね。まあ私ももっとがんばらないといけないけど!」
「うむ!」
嫁の病棟はがん患者も多いので終末期の看護も多いのである。嫁もこれまで何人もの患者さんをお見送りしてきたらしい。
相手のことを思いやる気持ちとともに、精神的にタフにならないととても勤まらないだろう。
僕にできるのはこうして話を聞いてあげることだけ。気分転換になってくれればと思います。
(´-`).。oO(がんばれ嫁)
[su_spoiler title=看護師さんの声]
- 何人も見送ってきましたが、慣れるものではないですね。本人のケアもですし、家族のケアもとても難しいです。
- 奥様のお気持ちよく分かります。聞くのはつらいですが、誰かがやらないといけないと思い、私もその役を行うことがあります。そんな日はすっっごく疲れます。
- 終末期の患者さんと向き合うって本当に難しいです。痛みを和らげるだけが看護じゃなくて精神的な不安も死に対する恐怖とも向き合わなくちゃです。その人を支える家族にもどんな言葉をかけるか悩みます(..)
- 医師から余命宣告されたときに同席していましたが、なんと声をかけたらよいかわかりませんでした。難しいですね。
- 終末期、緩和ケア、大事な分野だと思います。
- 緩和ケア病棟のある病院にいたときは、患者さんが緩和ケア病棟に移ることが決まると、ホッとしてしまう自分がいました。患者さん本人に、そうやって想いを聞くって、すごいことです。しんどかったでしょうね、奥さん。
- そういう関わり多いです。まずは患者さんに共感する姿勢を持うよう心がけていますが、本人にしかわからない苦痛が多いので、相手の気持ちを汲み取る・察するコミュニケーションを目指しています。いつも更新楽しみにしています! by4月から4年目ナース
- 私の病棟も終末期にある患者さん多いです。特に手術を受けてから術後の化学療法、緩和治療と長く経過を看るので、患者さんの姿を見るのはつらいですね…とにかく患者さんと過ごす時間を大切にしています。後、家族たとの関わりも大切だなと実感しています。
- 余命宣告されている患者さんならまだ関わりやすいけど、宣告されていない人に関わるのはほんと戸惑いだらけです。希望を聞きたいけど、患者さん本人が現状を知らぬ中で…って限界を感じます。
- ホスピス病棟で働いています。患者さんが最期の時をどうやって過ごしたいのか聞くって大事ですよね。少しでも楽しく過ごしてもらえるように笑顔だけは忘れずに関わっています。
- 緩和ケア病棟に勤務してます。告知はしてる事が前提ですが実際は未告知の方も多いです。その方に対して残りの人生を大事に過ごしてもらいたいけど、未告知なためなかなか介入が難しいことも多いですね。
- 訪問看護はターミナルで稼ぐ…。月8~9回の緊急対応の当番で、深夜・早朝の看取りは月1~2回は普通。
- 手をかけてあげたくても余裕も時間もなくて 申し訳ないと思うことが多くて…。終末期という状態に理解のない家族が居たりするとがっかりします。
- ほぼ看取りなのでザラです。淡々と処理している自分は家族にはどう見えるのか、ちゃんとしなきゃと思いながらも時間に追われてるので申し訳ないです。
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