近所のコンビニに行きにくくなった。
僕の奥さんは看護師なので、帰りが遅くなると二人でコンビニ弁当、ということがよくある。それは全然いいのだが、最近は顔を覚えられてしまい、行くたびに親しげに挨拶されるので非常に行きにくくなってしまった。
いつものコンビニに行き、レジで会計していると顔なじみの店長が話しかけてくる。「そのAKB新聞、意外と高いんですよ」 「雨が凄いですね」 「入れたてコーヒーいかがですか?」 この辺りまでは別に良かった。親しげな店長さんだなと、こちらも嬉しくなっていた。ところが、次のひとことを言われて状況が変わった。
「nanacoカード作りませんか?毎日来ていただいているので、良かったらどうかなと思って」
つまり僕ら夫婦は「晩ごはんはいつもコンビニ」と思われているのだ。まあ、そんなのわかっていた。看護師の仕事が忙しいときは週3回以上コンビニを利用することもあるのだから。
でも、嫁はそれからそのコンビニに行こうとしなくなった。
「この奥さんは毎日来て、ごはんも作らないのか」と思われたことが恥ずかしくて堪らなかったのだ。あの店長はそこまで考えず、軽い気持ちで言ったんだろうけど。最近は、ラーメンを食べに行ったり、簡単に作ったり、あるいはちょっと先のコンビニまで足を延ばすなどして、そのコンビニを避けている。結果としていいのか悪いのか、コンビニ弁当を食べる機会は激減した。
最近ごはん作ってないなあ・・
コンビニはいつでも気楽に買い物できるのがいいところだ。近いのでパジャマで行くこともあるし、深夜にアイスを買うこともある。ジャンプやマガジンを立ち読みして帰ることもある。
だからこそ、
今回のコンビニ店長の発言は、僕としては間違っていたと思う。
「毎日来ていただいている」が感謝の気持ちを表現していることはわかる。しかし、二人して弁当を買う夫婦にそれを言ってはいけない。少し寂しい感じがするがコンビニとはそういう場所だと思う。
あれからは僕一人でそのコンビニに行っているが、かなりしつこくnanacoカードを勧められた。もう作らないオーラを出しているのに、買い物に行くたびにしつこく勧誘してくるし。顔なじみといえども、やはり適度な距離は保っていて欲しいと思った。