看護師をしている嫁は、掃除・片付けは苦手だが、部屋を散らかすことは大得意。いくら片付けてもすぐに散らかしてしまうというかわいい嫁だ。
しかし、僕はそんなかわいい嫁を怒らせてしまった。
ある日の休日。この日も嫁のクローゼットや化粧台周りは大荒れだった。あまりにも荒れているので一緒に片付けようと提案したところ、嫁は即座にやらないと言った。
「やらなきゃいけないのはわかってる。でもやらない!」
意味がわからなかった。なんでやらないんだ。「だったら俺がやろうか?」と言ったら、「私のところは私がやるから。勝手に掃除しないで!」と怒られてしまった。嫁は気が付いたときに少しずつやっていると言うが、正直この数か月間さっぱり変わっていない。
一週間後。突然嫁がいらない本を売りに行くと言い出した。僕は嫁が自分から言い出してくれたことがとても嬉しかった。本がなくなって少しきれいになった。そして次の日。いい機会だと思った僕は、「本もなくなったことだし、今日は残りを片付けようよ」と提案してみた。その瞬間、嫁は本気で切れた。
「せっかくやる気になってるのにそんなことばかり言わないでよ!言われなくてもわかってるから!」
嫁は怒った。僕はひたすら謝って隣の部屋へ逃げ込んだ。
ほとぼりが冷めたころ、恐る恐る嫁のところに行ってみた。すると嫁はひとりで片付けをすると言い出した。手伝おうとしたけど拒否され、襖を閉めて部屋にこもられた。襖を開けようとしたら「開けるな!見るな!」と怒声が飛んでくる。なんだか申し訳ない気持ちになった。
数時間後、嫁が頑張ってくれたおかげで部屋はきれいになった。しかし嫁の苛立たせ追い詰めてしまったことがとてもショックだった。せっかく自分からやる気になってくれたのに。嫁を信じてやれなかった。
今回のことは全部僕が悪い。僕の器量が足りなかった。相手のことを考えず口だけになっていたのだ。反省してこれからはもっと相手に気を配るようにしよう。それだけでほとんどの喧嘩はなくなるはずだ。