嫁は看護師ブログ

看護師との結婚生活を書くブログ。看護師裏話、ナースの実態、付き合い方のコツなど楽しく笑えるネタが中心。白衣の天使は病院だけ!家ではまともに看護してくれません。そんな看護師との生活がわかる楽しい日記です。

看護師へのクリスマスプレゼントに腕時計をあげて微妙な反応をされた男の話

これは看護師へのクリスマスプレゼントで、アイテム選定を間違えてしまった悲しい男の話である。

第一話「プレゼント選び」

看護師とプレゼントと時計
看護師とプレゼントと時計

男はパソコンの前でうなってた。キーボードに文字を打ち込んでは画面を熱心に見て、また違う個所をクリックしては熱心に画面を見るという作業を何度も繰り返していた。

「これもちょっと違うなあ」

男が見ているのは「女性が喜ぶ鉄板クリスマスプレゼント」というサイト。豊富な品揃えでアクセサリーやハンドバッグなどカテゴリー別に検索できるのはもちろん、予算や相手のタイプにもあわせて検索できる今話題のネットショップだ。

「はー。もうクリスマスが近いのに全然プレゼントが決まらないな。これは一体どうしたものか」

幸せな悩みを抱えているこの男は今年結婚したばかりのしがないサラリーマン。もうすぐ結婚して初めてのクリスマスを迎える。この記念すべき第一回目に、ぜひとも嫁を喜ばせてやりたいと気合を入れているのだが、いろいろ調べているうちにもう何がいいのかわからなくなってしまい、あちこちクリックしてはため息ばかりついていた。

「ちょっと他のサイトも見てみるか」

1時間は見たそのサイトに別れを告げ、新しいサイトをGoogleで探す。男の目にとまったのは「最新版クリスマスプレゼントの鉄板ランキング」というサイト。ランキングという文字が男にヒットしたようである。そのサイトは単純なランキングしかなかったが、この男にとってはそのぐらいのほうが選びやすかった。そこで3位に表示されている女性用の腕時計に目がとまる。

「あいつ腕時計してなかったよな。よしこれにしよう!」

ようやくプレゼントを決めた男は次の日さっそくデパートに向かった。目当ての店に一直線に進み時計を購入。無事にプレゼントを抑えることができた男は満足そうな表情を浮かべていた。

 

第二話「プレゼントを渡す日」

クリスマスイブの日。男はBARの前で待っていた。家に帰れば会えるのに、あえて店で待ち合わせをすることでクリスマス気分を高めたかったのだ。しばらくすると雑踏から嫁の姿が現れた。

「お待たせ―!待った?」

「いま来たとこだよ」

定番の会話を繰り広げた二人は店の中に入って行った。

「わー!いい雰囲気だね」

「うむ」

普段BARなど行かないこの男は緊張していた。席についた途端に煙草を吸い始め、店員および嫁から動揺を悟られないよう取り繕っていた。誰も男のことなど見ていないのだが。一方の嫁は、若いころ飲み歩いていたのでこういう雰囲気には慣れていた。店員にコートをあずけながら談笑している。男はやっとのことで嫁を呼び寄せ、予約していたクリスマスコースをお願いして早速ワインで乾杯した。

「メリークリスマス」

「メリー・・・おう」

男は一瞬、こち亀の「メリークルシミマス」を思い出し不覚を取った。速攻で二本目の煙草に火をつけると、すぐに料理が運ばれてきた。男は吸い始めたばかりの煙草を消して灰皿を遠くへ追いやった。料理は創作系で二人は、あっという間にコースを平らげた。

「美味しかったね」

「そうだね」

男はプレゼントを出す機会をうかがっていた。いつ出そうか。悩んでいるうちにデザートになってしまった。今だ。このタイミングしかないと思った。

「これプレゼント」

かばんからプレゼントの包みを取り出して彼女に手渡す。

「わーありがとう!ねえ開けていい?」

嬉しそうにプレゼントを開ける嫁。箱の中から腕時計が現れた。

「お~。時計だ。ありがとう」

「うん。(あれ・・・?)」

男は嫁の表情がわずかながら曇ったように感じた。あんまり喜んでいないような気がする。少なくとも男が期待した反応とは違っていた。「わー!かわいい時計~!嬉しい!ありがとう♪」といった反応を期待したのだが、なんとも冷静さを感じる嫁の反応だった。ひょっとして気に入らなかったのか・・・?

「じゃあ私からも、はい」

なんと嫁のプレゼントも腕時計だった。「こんなことってあるんだね!」と言いながら嬉しそうにしている。そういうことか。先ほど感じた失望の色はプレゼントがかぶったせいだったのだ。男はほっと胸をなでおろし、喜んでくれて良かったと安心したのだった。

 

エピローグ「そして伝説へ」

年が明けた。男はあることを不満に思っていた。嫁が仕事に行くときに時計をしないのだ。最初の2日ぐらいはしていたものの、最近は化粧台の中にしまいっぱなしだ。「せっかくあげたのに何でしないんだよ」男は不満を抱えて、ついにはこらえ切れなくなり嫁に問いただした。

「あのさ、なんで時計しないの?」

「あ、ごめん。実はね・・・」

嫁は理由を丁寧に話してくれた。嫁の病院では仕事中の腕時計は患者に当たるので禁止らしい。普段は胸ポケットに差し込むタイプの時計を使っているそうだ。昔は毎日時計をしていたんだが、着替える時に外すのが面倒になって、いつの間にか時計をしなくなってしまったとのことだった。

男は落胆した。はっきり言って予想もしていなかった。まさか看護師にそんなルールがあったなんて。しかし知らずにプレゼントしてしまった自分に責任がある。あげたのだから使え、ではあまりに勝手すぎる。ここは大きな心で受け入れよう。休みの日にたまに使ってくれたらそれでいいではないか。

「フッ。看護師の夫も楽じゃない」

今でも嫁は休みの日には時計をつけてくれる。男はこの苦い経験で看護師の夫として少しだけ成長したのだった。

 

最後に

いかがでしたでしょうか。男とはもちろん僕のことです。看護師と付き合っている方、腕時計をプレゼントをするときはちょっとだけ注意してみてください。もし彼女が時計をしない人の場合、もしかしたら病院で何かルールがあるのかも知れません。僕と同じ失敗をしないようにしてくださいね。

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